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手ブロ創作企画関連
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「有難うございます、助かりました」と
安心したような笑顔を見せるベルボーイも
「資料、デスクに置いておきました。
ついでに西方さんが気になるって言ってた店のパンフも乗せといたんで、
行かれたら感想聞かせて下さいね」と
気を回ししてくれるフロントも、
「新作作ってるんで味見どうっすか?」と
気さくに話しかけてくるキッチンも、
皆好ましく、若者であれば可愛くも思える。


朝倉もそうだと思っていた。


否、少し違う。
朝倉とは仕事上の上司部下と言う関係はほとんど無く、
どちらかと言えば店員と客の関係が強かったから。
ちょっとした仕事の愚痴ならこぼせるような、
もう少し気心の知れた…。





+++








あれから、離れ難くて何くれと無くバーへ通った。
酷い事をしているのだと言う自覚も無い訳ではなかった。
顔を見せれば笑んでくれるし、
俺が一人と言う事もあるだろうが、他の客よりも長くそばで言葉を交わしているようにも思えた。

今でも好かれているのだと、名前を呼ぶ声色から感じ取れた。

気付けば俺はいつでも朝倉を目で追い、いつでも彼の事ばかり考えている。


あんな言葉を吐いてまだ一月しか経っていないというのに、
これではまるで学生の恋ではないかと家に帰っては頭を抱える。


変わり身が早すぎる。

違う、自分の気持ちをきちんと理解して居なかっただけなのだ。
散々勘違いだろうと自分を問いただしたが無駄だった。
感情に遅いも早いも勘違いも間違いも無いのだろうが、
其れにしても、今更俺に何を言う資格があるというのか。
その上どちらも男で、
しかもあまりに歳が離れ過ぎていると言う世間的引け目まである。


自分自身にマイナスポイントしか見つからなくて
今ならまだ引き返せると言う声と、
朝倉の言葉を踏み躙るのかと言う声が脳内に響き続けている。



否、

後者は朝倉に好きだと言ってもらえる現状を捨てたくないと言う
俺のわがままなのかもしれない…。






…と、そこまで考えて思考に蓋をした。

思い煩うには歳を取り過ぎた。
だから、流れのままに。

朝倉は本当に後悔をしないのか、それだけは心に止めて。



流れのきっかけを作るくらいの努力は、してもいいだろう……?

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