手ブロ創作企画関連
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落花さんとお話している二人のお話。
二人とも同じホテルに勤めているので、就業時間も知ってる顔見知り。
本当にもえすぎて大変です////有り難うございます///
やたら短いですが、まだまだ色々描かせてもらいたいな…。
お話は続きから。
+++
昼下がり。
レストランも落ちつきを取り戻し、ホールに穏やかな空気が流れ始めた頃、
青年が一人、ホテルのラウンジに設けられた席へ腰掛け、
ロビーを行き交う人々を眺めていた。
高く天井を取ったホールには太陽の光が柔らかく降り注ぎ、
そこで働く人々も心なしかリラックスしているように見える。
上等のホテルに相応しい、柔らかく弾力に富んだソファに
遜色ない落ち着きを見せる青年は、深く腰を下ろし優然とタバコを吹かしている。
人によっては横柄に見えかねない、短く手入れされた顎髭と長めに伸ばされたこげ茶色の髪も、
青年には良く似合い、柄の悪いチンピラと言うよりは俳優のように見える。
その青年が、ロビーに現れた男性の姿を見つけ少し表情を綻ばせた。
そんな小さな変化には気づいていないだろうが、
男性も青年の姿を見つけ傍へとやってくる。
40も半ばに差しかかるだろう歳の割には上背がある。
無駄な肉は付いていないだろうが、筋肉質や痩せぎすと言う感じもしない身体を
きっちりとスーツに包み、髪は清潔に見えるよう固められている。
男性の胸ポケットにはネームプレートが付けられ、名前と『副支配人』の文字が彫られていた。
「朝倉、随分と早くないか?」
そう声をかけながら向かいのソファに腰を下ろした男性に笑みを浮かべ、
青年――朝倉は「コーヒーでもどうですか?」と言葉を返す。
「あぁ、頂こう。
それで、今日はどうしたんだ?
開店準備までまだ1時間はあるだろう」
男性の言葉通り、青年が務めるバーの就業開始時間まではまだしばらくの余裕があった。
カフェレストランのボーイを親しげに呼びとめホットコーヒーを注文した朝倉は、男性に向き直り笑みを浮かべる。
「西方さんの働いてる姿を拝んでおこうかと思って」
「、仕事、やめるのか?」
「ハハ、そう言う訳じゃないです。何となく見たかっただけ…って言うか
家に居ても暇だから早めに出勤してきちゃったって所ですかね」
「なるほど」
運ばれてきたコーヒーを受け取ってボーイを労うと、
男性――西方はようやく肩の力を抜き、ソファへと深く腰を掛け直した。
「今から休憩ですか?」
穏やかに問われる言葉に軽く頷きコーヒーを口に運ぶ。
「今日は7時までだから、9時には上がれるだろう」
「大変ですね」
「…そうでもない。どうせ家に帰っても洗濯くらいしかすることも無いんだ」
少し表情を緩め小さく身体を伸ばしながらそう答える。
その姿を眺めながら、新しい煙草に火を付けた青年が「一緒ですね」と少し笑う。
「そうか、若いのに寂しいな?」
いつもキリと引き締められた表情が緩み、小さな笑みが浮かんだ。
接客用の笑顔とも違う珍しい表情は、揶揄するようなものではなく、
純粋に穏やかな気持ちから生まれたように優しい。
しかし、
その表情もロビーから掛けられた声にさっと姿を消してしまった。
「休憩中すみません、どうしても西方さんじゃないとって先方が…」
「分かった、すぐに行く」
身体中から申し訳ないと言うオーラを漂わせながら声をかけに来たフロントの女性を先に帰し、
西方も席を立った。
テーブルに千円札を2枚置き少し首を傾げる。
1秒程の僅かな間を開け
「仕事が終わったらバーに寄る」と言い、彼は青年に背を向けた。
「おまちしております」
そう言葉を返した青年が、
どんな表情を浮かべていたのか西方が知ることはない。
二人とも同じホテルに勤めているので、就業時間も知ってる顔見知り。
本当にもえすぎて大変です////有り難うございます///
やたら短いですが、まだまだ色々描かせてもらいたいな…。
お話は続きから。
+++
昼下がり。
レストランも落ちつきを取り戻し、ホールに穏やかな空気が流れ始めた頃、
青年が一人、ホテルのラウンジに設けられた席へ腰掛け、
ロビーを行き交う人々を眺めていた。
高く天井を取ったホールには太陽の光が柔らかく降り注ぎ、
そこで働く人々も心なしかリラックスしているように見える。
上等のホテルに相応しい、柔らかく弾力に富んだソファに
遜色ない落ち着きを見せる青年は、深く腰を下ろし優然とタバコを吹かしている。
人によっては横柄に見えかねない、短く手入れされた顎髭と長めに伸ばされたこげ茶色の髪も、
青年には良く似合い、柄の悪いチンピラと言うよりは俳優のように見える。
その青年が、ロビーに現れた男性の姿を見つけ少し表情を綻ばせた。
そんな小さな変化には気づいていないだろうが、
男性も青年の姿を見つけ傍へとやってくる。
40も半ばに差しかかるだろう歳の割には上背がある。
無駄な肉は付いていないだろうが、筋肉質や痩せぎすと言う感じもしない身体を
きっちりとスーツに包み、髪は清潔に見えるよう固められている。
男性の胸ポケットにはネームプレートが付けられ、名前と『副支配人』の文字が彫られていた。
「朝倉、随分と早くないか?」
そう声をかけながら向かいのソファに腰を下ろした男性に笑みを浮かべ、
青年――朝倉は「コーヒーでもどうですか?」と言葉を返す。
「あぁ、頂こう。
それで、今日はどうしたんだ?
開店準備までまだ1時間はあるだろう」
男性の言葉通り、青年が務めるバーの就業開始時間まではまだしばらくの余裕があった。
カフェレストランのボーイを親しげに呼びとめホットコーヒーを注文した朝倉は、男性に向き直り笑みを浮かべる。
「西方さんの働いてる姿を拝んでおこうかと思って」
「、仕事、やめるのか?」
「ハハ、そう言う訳じゃないです。何となく見たかっただけ…って言うか
家に居ても暇だから早めに出勤してきちゃったって所ですかね」
「なるほど」
運ばれてきたコーヒーを受け取ってボーイを労うと、
男性――西方はようやく肩の力を抜き、ソファへと深く腰を掛け直した。
「今から休憩ですか?」
穏やかに問われる言葉に軽く頷きコーヒーを口に運ぶ。
「今日は7時までだから、9時には上がれるだろう」
「大変ですね」
「…そうでもない。どうせ家に帰っても洗濯くらいしかすることも無いんだ」
少し表情を緩め小さく身体を伸ばしながらそう答える。
その姿を眺めながら、新しい煙草に火を付けた青年が「一緒ですね」と少し笑う。
「そうか、若いのに寂しいな?」
いつもキリと引き締められた表情が緩み、小さな笑みが浮かんだ。
接客用の笑顔とも違う珍しい表情は、揶揄するようなものではなく、
純粋に穏やかな気持ちから生まれたように優しい。
しかし、
その表情もロビーから掛けられた声にさっと姿を消してしまった。
「休憩中すみません、どうしても西方さんじゃないとって先方が…」
「分かった、すぐに行く」
身体中から申し訳ないと言うオーラを漂わせながら声をかけに来たフロントの女性を先に帰し、
西方も席を立った。
テーブルに千円札を2枚置き少し首を傾げる。
1秒程の僅かな間を開け
「仕事が終わったらバーに寄る」と言い、彼は青年に背を向けた。
「おまちしております」
そう言葉を返した青年が、
どんな表情を浮かべていたのか西方が知ることはない。
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