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もちろん全てフィクションでございます。

TT大和田の話。

続きから短文。


+++


膨大な借金を作り政府が崩壊する様は、
将棋崩しでうっかり良くないコマを引いてしまった時みたいな、
やるせない哀愁を子供心に感じた。

正直に言うと旧政府体勢に何の思い入れも無い。
汚職にまみれた政治家は年寄りばかりで、
皆同じような格好で同じような口臭を吐き、
まるで動物園のアシカみたいな顔で適当な妄言を振りまわしていたし、
報道もそれを眺める市民もみんな「またか」と聞き流して行く。
老い先短い奴らがどれほど本気で国の将来を考えるだろうか。
自分が死して後、この国の為に。
なんて口にした所で嘲笑されるのがオチという政府の体制が丸見えの場所で、
大半の政治家は自分がいかに甘い蜜を吸い続けるかという事しか頭になかった。
いつも未来を考えるのは若者だけだ。
と、何かで読んだけれど、
当時の若者でさえ未来の事なんて考えてない奴がほとんどだったし、
その証拠に結局借金は膨らみ続けて“この国”と呼ばれるべき“行政”は崩壊した。


崩壊して後、かつて首都と呼ばれた此処は徐々に荒れて行った。
少しずつ。
じりじりと真綿で首を絞められるように、
この国が死に向かって行くような感覚。


どちらかと言えば、政権が崩壊したという事実やその結果荒廃して行く現状よりも、
崩壊を止められなかった自分の無力さが悔しかった。


AAAと呼ばれる数名がこの場所に生きる人たちのリーダーの様になって行くのも気にいらなかった。

ルールとは、その地に住む民の為に布かれるべきものだと思っているし、
誰か限られた人の利益の為にあるべきではない。
AAAを中心として集う人達はある種の安定を望んで集っているのかもしれないけれど、長い目で見ればそんな限られた範囲内でのルールに満足していてはやっていけない。のだと思う。

リーダー…あるいは神様と呼んでも良い…に群がる様に集まった人達が、あたかも一つの生き物のように蠢く。
その生物の命を長引かせるために働くルールは、
その集団が生きて行くための本能みたいなもので、肥大し過ぎれば崩壊するのが目に見えている。

小さい頃にテレビで見た、肥満が過ぎて死んで行った人間の姿が思い浮かんだ。



そんな訳で俺はPOTに志願した。
旧政府の遺物。
過去の栄光に縋りつく愚か者。
追従し尾を振る物という意味なのか、ポチとも呼ばれてる。
皮肉や揶揄される事に欠かない組織でも、
この機関だけは、長い目で見たこの国の将来を、大局に立って見下ろしている様な気がした。

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